皆様、こんにちは!今回は歯を抜いたほうが良いのはどんな時かについてご紹介します。
当院でも歯はなるべく残す方針を取っていますが、どうしても抜歯をしなければならないケースがいくつか存在します。その一つが、歯根破折です。歯根破折とは歯茎に埋まっている歯の根っこに縦向きにひびが入った状態のことを指します。ひび自体はレントゲンでも写らないほど微細ですが、歯根破折を起こすとこのひびから歯茎の内部に唾液中の細菌が入り込み、歯の根っこの周りの顎骨が少しずつ破壊されていきます。この状態になるとレントゲンで黒く写るようになります。
歯根破折の初期症状はあまりなく、噛んだときに違和感がある程度です。そのため、この段階では抜歯をすすめても「今はやめておきます」とおっしゃる方が多いです。しかし状態が悪化していき、抜歯をせずに放置するほど顎骨が減っていくためその後の治療の難易度は上がります。加えて、今は違和感だけであっても何年後、何ヶ月後かに激痛や酷い腫れが生じることもよくあります。
残念なことに、歯根破折はたとえ歯科に定期的に歯科に通っている患者さんにもある日突然起こり得るトラブルです。「無理な噛み方をしない」という予防法もありますが絶対に防げるものではないため、もし歯科で歯根破折していると診断された場合にはなるべく早い段階で抜歯されることをおすすめします。