新型コロナウィルス感染の死亡因子と歯科との関連性について

PICT7351皆様こんにちは!本日は新型コロナウイルスと歯周病の関係についてご案内します。上記のポスターは歯科医師連盟のものです。

新型コロナウィルス感染での死亡因子は、高年齢、敗血症への悪化が言われています。その敗血症は主にウィルス性と細菌性の2種類が考えられますが、一般的に言えば細菌性敗血症です。最新の研究により、敗血症を起こすメカニズムに口腔内細菌が大きく関わっているということが分かりました

一説に、グラム陰性菌のLPSが引き金となっていると言われています。LPSとは腸内細菌のことですが、エビデンスからすると口腔内細菌とのこと。腸内細菌は基本的にクッパーセルという巨大なマクロファージがいる組織ですべて処理されるため、肝臓から外にはLPS自体はでません。ところが、口腔内の場合は、う蝕でも感染根管があり、歯周病の場合は歯周炎を起こすことによって毛細血管に入り、静脈系に入っていき、心臓を通って肺へと全身へ拡散していきます。つまり、口腔内細菌は体内に入りやすいということです。また、LPSという物質は歯磨きをしない人の血中に多くあるというデータがあります。特に、糖尿病の方は歯周病の影響で、菌血症が治癒しにくいと言われています。

新型コロナウイルスに感染した場合、免疫力が低下していると、この菌血症が敗血症に悪化していくため、「LPSを血中に入れない」ということが非常に重要となります。

以上のように、歯周病・歯周炎は比較的軽視されがちですが、しっかりと治療していなければ、命にかかわる可能性があります。口腔ケアはご自宅でのケアと歯科医院でのケア(ご自身では難しいところ)両方が必要と言われています。どちらか一方では不充分になりがちです。歯だけでなく、命を守るために、口腔ケアを怠らないようにしましょう。両方のケアをお勧めします。