Category Archives: スタッフブログ

歯磨きのターゲットについて^^

皆様こんにちは!

歯磨きをしているのに、虫歯になったり歯周病になったりされる方がいらっしゃると思います。歯磨きの目的とは「悪さをする細菌を減らすこと」です

もちろんのことながら遺伝的な要素は否めませんが、歯磨きの仕方次第で予防が可能なことが多くあります。

 

 虫歯菌と歯周病菌は性質もあばれる場所も大違い! 除去方法を使い分ける必要があります。

 

・バイオフィルム⇒細菌がつくる多糖体の丈夫な膜で、排水管のヌメヌメのようなもの。歯にべたべたとくっつくため殺菌剤がしみこみにくく、細菌たちの楽園となります。強固にくっつくのは3~4日かかるので歯ブラシでこすって1日に1回は取り除いておくことが肝要です。

・歯周病菌⇒歯の健康に大きな被害を及ぼすのが、歯周ポケットのなかに潜む歯周病菌。歯周病菌の出す毒素が歯茎や歯・支える骨に炎症を引き起こします。一晩で約1000倍にも増殖するので日々の除去は必須です。

・プラーク⇒ゆるやかに繋がった細菌集団で、バイオフィルムほどのしつこさはないですが、歯と歯の間にできた歯周ポケットにたまりやすいです。歯石にこれがはまり込むと歯ブラシでは除去できず、歯周病の原因に!定期的に歯科で除去をお勧めします。

・虫歯菌⇒歯面にくっついたバイオフィルムの丈夫な膜をシェルターとし、なかにたてこもってぬくぬくと増殖します。砂糖が大好きで、さかんに食べてはどんどん酸を排泄するためバイオフィルムの中には酸でいっぱいに!この酸が歯を溶かして「虫歯」となります。

 

ご自身のお口の状態はどのような状態かご存知でしょうか?お口の状態からターゲットにした方が良い磨き方に違いがあります。

是非、歯科医院でお口の状態を把握してみてください。

次回もお楽しみに!

シーラントについて

皆様こんにちは!

「シーラント」ご存知でしょうか?保護者の方なら「お子様の虫歯予防に溝うめをしましょう」と勧められたことがあると思います。

シーラントというのは、奥歯にある深い溝を封鎖する予防処置のことでseal(封鎖)、ant(するもの)というのが名前の由来で正式に歯「フィッシャーシーラント」と言います。

フィッシャーというのは亀裂や溝のことです。

奥歯の溝は複雑な形をしていて、食べかすやプラーク(細菌のかたまり)がたまりやすい場所です。人によっては溝の奥に歯ブラシの毛先が届かないことがあります。入り込んだ食べかすやプラークはそのままだと虫歯菌の温床となります。

また、お子様の場合、生え始めたばかりの歯は歯の質が弱く、虫歯菌の出す酸に溶けやすいため虫歯になるリスクが高くなります。

虫歯になってから削って詰めるレジンなどの詰め物と違い、虫歯にならないようにする予防処置ですので歯を削らなくて済みます!

「コクラン・レビュー」という世界的な学術機関の研究発表でもシーラントの予防効果は認められていて、現代にこどもたちに虫歯が少ないのは、シーラントのお陰と言われています。

ただ、過信は禁物です!シーラントはとれる場合も有り、シーラントをしたからと言って「大丈夫」と思って歯磨きをしないなどは危険です!また、歯と歯のあいだにできる虫歯もありますのでご注意ください。

 

お子様の歯について気になられる方は、お気軽にお問い合わせくださいませ。また、大人の方にも適応できます。

次回もお楽しみに!

しみる歯のお手入れについて

皆様こんにちは!先日は知覚過敏についてご案内しました。

「痛いところはそっとしておいたほうが良いだろう」「歯ブラシで触ると歯が削れてしまうかもしれない」と思われる方がいらっしゃると思います。ところが、こうした配慮は知覚過敏の症状を悪化させてしまう可能性があります。歯についた歯垢を取り除かないと、そのなかに棲む虫歯菌が酸を出し、歯を覆って刺激をブロックしてくれている大切なスメア層や再石灰化層を溶かしてしまうからです。

歯科ではコート材の塗布前にプロフェッショナルのクリーニングをさせていただいてます。症状の重い方の場合はあらかじめコート材を塗布して痛みを軽減しておくと支障なくクリーニングが出来ます。この際、低研磨性のペーストを利用します。

クリーニング後に再度コート材を塗布すると定着しやすく、より効果的に歯への刺激をブロックできます。

痛みが心配の方や症状の強い方には、歯間ブラシやフロス、ガーゼなどでお掃除することを工夫し、場合によっては麻酔をしてからクリーニングを行います。

お気軽にご相談くださいませ。

 

 

「しみる歯」はどんなことが起きている?

皆様こんにちは!本日は「知覚過敏」についてご案内します。

 

知覚過敏は、歯の象牙質(エナメル質の下の組織)を覆っている硬いエナメル質や歯茎がなんらかの原因で失われたときに神経へと外部の刺激が伝わって起こります。

象牙質にはぽつぽつとパイプ状の穴が開いているので、ここから神経の方へ刺激が伝わってしまいます。冷たい、熱い、甘いなどの刺激が穴の中の水に伝わり、その水の動きが神経へつながっている象牙質の細胞や神経を刺激して「キーン」という痛みになると考えられています。

ただ、この症状は虫歯の痛みの初期症状にも似ています。歯が欠けたり、削れたり、酸っぱいものの過剰摂取で酸齲症になったりして歯が壊れている時にもおこる症状なので油断大敵です。

また、象牙質がむき出しになっていても痛みを感じない方もいます。これは、象牙質の表面にスメア層(歯の細かな破片などが歯の表層や象牙質のパイプ周辺に沈着したもの)という層ができたり、唾液の成分などが結晶化(再石灰化)して沈着したりなどして刺激が伝わらない場合です。

歯が削れるほど、ごしごし歯磨きしてしまったり、夜中に歯ぎしりをしたりしているとスメア層や再石灰化層がはがれて知覚過敏を引き起こすので、気になられる方は歯科医院にてチェックをお勧めします。

次回もお楽しみに!

抗菌物質 IgA(免疫グロブリン)について

皆様こんにちは! 本日は前回に続き、唾液についてのご案内です。

前回、唾液についてとても良い効果についてお伝えしました。今回は唾液に含まれる免疫グロブリンという成分のお話です。

免疫グロブリンは身体を細菌やウイルスから守る抗体の一種で、風邪やインフルエンザ、肺炎などから予防する働きがあります。唾液のほか、母乳や涙、鼻水、腸分泌液に含まれます。

唾液の中の免疫グロブリンは、疲労やストレスにより低下します。つまり、その人の「免疫力」を指標となるので、アスリートの運動負荷を決める目安ともなっています。過度のトレーニングは体力を下げ免疫力を下げ体調不良の原因となるため、コンディションを客観的に評価するために免疫グロブリンの量を測定します。免疫グロブリンの量が減ってきたら、疲労がたまってきたと判断し休息を促すということをします。唾液は採取が簡単なので有用です。

また、唾液の効果は研究が進んでおり、最近は脳細胞の保護にも関係している可能性があるとのことです。

次回もお楽しみに!

唾液とは

皆様こんにちは!本日は唾液についてご案内します。

唾液は・・・

血液から作られます!

唾液は透明なので水分が姿を変えたものだと思われがちですが、実は「血液」なのです。水分を摂取すると、胸骨や肋骨などにある骨髄で血液が造られ、その血液が唾液腺にて唾液と作り替えられます。

 

②1日1~1.5リットル作られます

健康な成人の場合、唾液はこれだけ作られます。その中で就寝時は唾液の量は低下します。そのため、就寝時に脳梗塞などの予防の為水分を取るのは大事なのですね

 

③唾液腺で作られます

先ほども触れましたが、唾液がつくられる場所はお口の中に多数存在し、主に「耳下腺」「顎下腺」「舌下腺」が3大唾液腺と呼ばれ、特にたくさん唾液を作ります。耳の下を押してみると唾液がじわっと出るのが感じられますね。

 

④多くの成分が入っています

唾液成分の99%は水ですが、残りの1%に多くの成分が含まれています。成分は血液由来のものだけでなく、唾液腺で新たに作り出されたものもあります。ここではお口や体に有益なものをご紹介します。

・リン酸、カルシウム:歯の補修作用

・アミラーゼ:消化作用

・ムチン:潤滑作用、粘膜保護作用

・重炭酸:緩衝作用

・IgA(免疫グロブリンA)、ラクトフェリン、リゾチーム:抗菌作用

・成長ホルモンなど:粘膜の修復や細胞の保護

・糖タンパク:歯の保護

⇒このようなことから、唾液のパワーとして

お口を清潔に保ったり、粘膜を保護したり、お口の中を中性に保ったり、歯を補修したり、細菌感染から守ってくれたりと、とても重要な働きをしてくれています!

 

皆様、水分を良く摂取して、唾液の分泌を欠かせないようにしましょう!唾液腺などのマッサージも有効です。

 

次回もお楽しみに!

いびきについて

皆様こんにちは!本日は「いびき」についてご案内します。

いびきは軽く考えられがちですが、実は「呼吸がうまくいっていない状態」、すなわち「いびきはからだの悲鳴」でもあるそうです。

睡眠中のお口の状態をいびきをかく人とそうでない人とで比較しますと・・・

 

☆いびきをかかない人

①口を閉じて鼻で呼吸している

あごが下がらない

③軟口蓋(鼻の奥の蓋)が下がらない

④舌も垂れ下らない

気道が塞がらないスムーズな呼吸

 

☆いびきをかく人

口を開けて呼吸している

あごが下がる

③軟口蓋が垂れ下る

④舌も垂れ下る

気道が塞がりやすい苦しい呼吸     ということです。

 

いびきには舌の大きさやあごの大きさが関係し、あごの小さい方、舌の大きい方はその分お口の中が狭くなるので気道が塞がりやすく、いびきもかきやすくなるそうです。

みなさまご存知の「睡眠時無呼吸症候群」との関連もあるとのこと

これは、①脳の異常により呼吸運動がとまるもの②気道の閉塞により呼吸がとまるもの③両方が混在しているものがありますが、9割以上は気道の閉塞が大きな原因となっているとのことです。

 

いびきを軽視せず、耳鼻咽喉科・呼吸器内科・睡眠センターなどのお早目の受診・対策をお勧めします。

フッ素洗口について

皆様こんにちは!

本日は虫歯が急にたくさん出来てしまった方へのご案内です。

遺伝的要素や食生活などの変化により、急に虫歯が増えてしまうことがあります。このような場合、「フッ素洗口」が効果的です。

これはメーカーにより様々ですが、寝る前の簡単な「うがい」で可能です。

フルオロアパタイトの生成・再石灰化の促進効果により「資質の強化」、細菌・酵素作用の抑制により「酸産生の抑制」が可能となります。

当クリニックでは「ミラノール洗口液」を使用しております。これは、毎日行う方法と週1回の方法がありますが、毎日法がより効果的です。粉をボトルに入れて混ぜるだけで簡単です。

気になられる方は、是非、お早めに歯科医院にお越しくださいませ。

「糖尿病連携手帳」ご存知ですか?

皆様こんにちは!本日は「糖尿病連携手帳」についてご案内します。

これは、日本糖尿病協会が無料で配布しているもので、手帳の中には医師が患者さんの状態を記載するページが設けられています。

糖尿病の主治医は体重や血圧、血糖値などの検査値を記入し、眼科の主治医は視力や目の状態を記録します。この手帳にはなんと歯科の状態を記載するところもあるのです

しかも、歯科記入欄がもともとわずか4項目だったのが、2年前から三倍の14項目に!歯周病の状態だけでなく、歯の本数や咀嚼力、インプラントや義歯の有無、清潔度やドライマウスなどお口の状態が詳しく記載されるようになりました。

これは以前もご案内致しました歯周病と糖尿病の関係が非常に重要だからです。このために、日本糖尿病学会は2016年の「診療ガイドライン」のなかで「糖尿病の方には積極的に歯周病の治療を勧めましょう!」と声高らかに宣言しました。

これからの時代、この「糖尿病連携手帳」がパスポートの役割となり、病院と歯科の連携をとりながら、よりきめ細かい治療の提供が可能となると考えられています。

 

次回もお楽しみに!

妊娠とお口の深~い関係とは

皆様こんにちは!

妊娠すると歯科健診受診券を受け取られると思います。これは、妊娠中にお口の状態が悪くなることがあるからです。

本日はこの原因についてご案内します。

まず

つわり⇒歯ブラシをお口に入れると気分が悪くなり、歯磨きがおろそかになりやすいです。また、お口に胃酸が逆流し、強い酸に触れた歯の表面が溶けてしまいます。

食の好みの変化⇒甘いものが好きになると虫歯菌が大好物の「砂糖」を多く取ることになります。酸っぱいものを好きになると、強い酸によって歯の表面が溶けやすくなります。

間食⇒ちょこちょこ食べると常にお口の中に虫歯菌が大好物のものが長く居座ることによって虫歯になりやすくなります。

唾液の減少⇒妊娠によって唾液の量が減少し、お口の中が洗い流されにくくなります。また、唾液による歯の再石灰化作用が弱まり、虫歯になりやすくなります。

女性ホルモンの増加⇒妊婦さんの体内でさかんに増える女性ホルモン。これは実は歯周病菌が大好物なホルモンです。妊娠すると歯周病になりやすくなります。歯茎が腫れていないかチェックしましょう!

 

上記のように、妊娠中はお口のチェックはとても大切です。お早目の受診をお勧めします。